破産者製造マシーン「連帯保証人制度」が変わる!保証人と連帯保証人は違う?

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天下の悪法連帯保証人制度が変わる!民法改正ー宅建CC宅コラム

2020年の民法改正で「連帯保証人制度」が変わる!

本当に怖い「連帯保証人制度」

「どんなに大親友でも、信頼できると思っている相手でも、連帯保証人だけにはなるな」こう教わった方は多いはず。しかし、「連帯保証人の恐ろしさ」を具体的に知らない方もいらっしゃるでしょう。「連帯保証人になる」というのは、単に「お金を貸してあげる」という事とは全く違います。今回はそんな連帯保証人制度の恐ろしさと、2020年の民法改正についてお伝えします。宅建対策でも要チェックです!

連帯保証人と自己破産

日本の自己破産者は年間約7万人。1日辺り約200人の方が、何らかの理由で自己破産をしています。その大部分は低所得や病気等の理由から起因するものですが、自己破産者の22%は保証債務が原因です。つまり、破産申立ての4~5人に1人は保証人なのです。

連帯保証人と保証人は全く違う

連帯保証人は保証人とは違い、3つの権利がありません「催告の抗弁権・検索の抗弁権・分別の利益」です。詳しく説明します。

連帯保証人ー民法改正ー宅建C

連帯保証人になって半年後…

「催告の抗弁権」がない

債権者
債権者

どうも連帯保証人さん、債権者です。突然ですけど、お金返してもらえます?

連帯保証人
連帯保証人

いやいや、まずは主債務者に請求しくれます?何でいきなり私の所に来るんですか。金を借りたのは主債務者でしょう?最初に主債務者に請求して、その上でどうしても駄目だったら、また来てくださいよ。

連帯保証人の台詞は、筋が通っている正当な主張のように思えます。この主張が「催告の抗弁権」です。「保証人」であればこの主張は認められます。が、連帯保証人」だった場合は認められません。債権者が主債務者に請求せず、連帯保証人へ突然請求してきたとしても、連帯保証人は文句が言えないのです。

「検索の抗弁権」がない

債権者
債権者

あなたに「催告の抗弁権」が無いのは分かってもらえましたか?理解できたら、お金返してもらえます?

連帯保証人
連帯保証人

それは分かりました…。でも主債務者をよく見てください!ロレックスを付けてマイバッハを転がして、札束風呂に入ってます!絶対に私よりお金持ってますよ!

連帯保証人ー宅建C
連帯保証人
連帯保証人

どう見たって主債務者には返済能力があるんだから、そっちに請求してください!なんなら財産を差し押さえてください!

これも筋が通っている正当な主張のように思えます。この主張が「検索の抗弁権」です。「保証人」であればこの主張は認められます。が、連帯保証人」だった場合は認められません。主債務者にどれだけの資力・財産があったとしても、連帯保証人が主債務者に代わって返済をしなければなりません。

「分別の利益」がない

債権者
債権者

という事で、お金返してもらえます?900万円。

連帯保証人
連帯保証人

私に「催告の抗弁権」も「検索の抗弁権」も無い事は分かりました…。お金は払うしか無いんですね…。主債務者はあんなに財産を持っているのに…。

連帯保証人
連帯保証人

でも!私の他に(連帯)保証人が2人います!債務は900万円だから、(連帯)保証人3人で払うとして、1人頭300万円!300万円でいいですよね?よね!?

保証人の人数で按分(あんぶん)した金額のみを負担する。これが「分別の利益」です。「保証人」であればこの主張は認められます。が、連帯保証人」だった場合は認められません。連帯保証人が1000人いたとしても、連帯保証人1人1人に、債務全額を支払う義務があります。(返済すべき額を超えて返済しなければならない訳ではありません。)

 

…以上が連帯保証人と保証人の3つの違いです。さらに、主債務者が破産や免責で返済義務を免れたとしても、連帯保証人の返済義務は無くなりません。本当に恐ろしい、連帯保証人。

2020年の民法改正でどう変わるのか?

このリスク・デメリットだらけの破産者製造マシーン「連帯保証人」ですが、2020年に廃止…ではなく、ルールの変更が施工されます。大きく下記4点が変わります。

上限額(極度額)を定めないと無効!

よく契約書に書かれている「連帯保証人は本契約上発生する一切の債務を連帯して保証する。」今までは保証契約時点で、いくらの支払い責任が発生するのか分からない青天井でした。その為、考えていた以上の請求が来てしまうケースがあり、これが破産者製造マシーンと言われる所以です。今後はこの点が改正され、個人の根保証契約は、書面により極度額(連帯保証人の責任限度額)を○○円と定めないと無効となります。

終わらなかった個人根保証契約が終わる!

「特別な事情が発生」した場合、その時点で元本確定・根保証終了となり、その後に発生する債務は保証しなくてよくなります。「特別な事情」とは主債務者の死亡・連帯保証人の破産・死亡であり、「主債務者の破産」は対象外です。

リスクをしっかりと把握!公証人による意思確認の新設!

事業用融資における個人保証は、個人的な情義(友人、血縁など)から保証人となってしまった人が、想定外の多額の債務により生活が破綻するケースが後を絶たないとして問題になっていました。今回の民法改正により、事業用融資における個人保証は保証人が保証契約のリスクをしっかりと理解しているかについての公証人による意思確認手続きと公正証書作成が必要となります。その際代理人は不可であり、必ず保証人本人でなければなりません。※主債務者が法人の場合の取締役や理事、執行役、総株主の議決権の過半数を有する者、及び主債務者が個人の場合の共同事業者、主債務者の事業に従事している配偶者などは対象外となります。

3つの情報提供義務で個人保証人を守る!

契約締結時の情報提供義務

「事業上の債務についての個人保証」が対象です。保証契約締結前に、主債務者から保証人へ財産と収支、主債務以外の債務について、担保の内容についての情報提供義務が課せられます。情報提供義務違反があった場合、必要要件を満たしていれば保証人は保証契約を取消す事が出来るようになります。

期限の利益を喪失した場合の情報提供義務

個人保証人全てが対象です。主債務者が支払いを遅延した場合、その支払いが遅れれば遅れるほど、遅延損害金や利息で債務が膨らみます。保証人にしてみれば「もっと早くに遅延していると教えてくれていれば、すぐに立替払いをしたのに。そうすればここまでの金額にならなかった…。」となります。これを防ぐために、債権者は「期限の利益喪失(支払い遅延)を知った時から2か月以内に、その旨を保証人へ通知しなければならない」となりました。債権者がこの情報提供義務に違反した場合、「期限の利益を喪失した時から通知するまでに生じた遅延損害金」については、保証人へ請求することが出来ません。(主債務者には請求可能)

履行状況に関する情報提供義務

個人・法人問わず、全ての保証人が対象です。保証人の関心事は「主債務者はしっかりと弁済しているのか?残債はいくらか?次の支払いはいつだ?」などですよね。今まではこれを銀行など債権者に聞いても、個人情報だのプライバシーだので教えて貰えませんでした。民法改正により、主債務者の同意を得ずに、債権者から保証人へ情報提供が可能になります。

連帯保証人の今後

「民法改正の施工日前に締結された保証契約についての保証債務」には、現行法が適用されます。施行日以降に契約更新となった場合には、そこから改正法が適用となります。

 

極度額を記載するルールは想定外の請求が無くなる反面「極度額○,000万円」のような記載が必要となる為、今まで以上に個人保証を頼むのが難しくなってくるでしょう。

まとめ

連帯保証人の怖さ、保証人と連帯保証人の違い、2020年民法改正について解説しました。連帯保証人は「あいつの借金はお前の借金」というジャイアン理論がまかり通る、本当に怖い制度です。どんなに親しい人に頼まれたとしても、安易に判を押してはいけません。今回の民法改正では連帯保証人保護がメインでしたが、それでもまだまだ悪法の異名は取れません。しかし頻出問題ですので、よく理解して試験に挑みましょう!

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